はじめに
投資用物件を探していると、ふと目を引く利回りの高い物件に出会うことがあります。条件も良さそう──でも場所は聞いたこともない街。
「この街、買っても大丈夫なのか?」
そんなとき、あなたはどう判断しますか?
プロの投資家は、土地勘がなくても買います。なぜか?理由はひとつ──徹底的に調べて納得してから買うからです。
この記事では、不安を自信に変える「立地の見極め方」を7つにまとめて解説します。知らない街でも、勝てる投資はできます。未来を読む準備、始めましょう。
人口は“丁目単位”で読む
「〇〇市の人口が増えてるから大丈夫」と安心するのは危険です。
同じ市でも、駅から離れたエリアや古い住宅街は急速に空洞化していることがあります。投資家が見るべきは、町名・丁目単位での人口動態です。
自治体のオープンデータなどで、
- この5年で人口が増えているか?
- 高齢化率は加速しているか?
- 転入者は転出より多いか? を確認しましょう。
数字は嘘をつきません。人が集まっているエリアかどうかを冷静に見極めてください。
世帯数の伸びが需要をつくる
人口が減っていても、賃貸需要が高まっている地域があります。理由は「世帯数」です。
たとえば──
- 高齢者の単身世帯
- 離婚・単身赴任による住み替え
- 若年層の一人暮らし増加
こうした背景があれば、同じ人口でも部屋数は増えるのです。
世帯数の増減も、自治体サイトで確認可能。見落としがちな“隠れた需要”を拾う力が、初心者とプロを分けます。
建設ラッシュは危険信号
賃貸需要が強くても、供給が増えすぎると一気に崩れます。
ここ数年、名古屋市中心部では新築賃貸マンションの建設が加速。その結果、家賃は下落、空室は増加──賃貸マーケットが実質クラッシュしています。
「人気の街」でも、建設ラッシュでバランスを崩す例は枚挙にいとまがありません。
自治体の「建築統計」や「住宅着工件数」などで、近年の供給の流れを確認しましょう。
単一施設への依存はハイリスク
大学・病院・官公庁・大型工場・ショッピングモール──賃貸需要を支える巨大施設の存在は、武器にもなりリスクにもなります。
たとえば、青山学院大学が相模原から一部移転したあとの賃貸市場。**ワンルームが埋まらず、賃料も下落。**地域経済は深刻な打撃を受けました。
一見需要が厚く見えても、「この施設がなくなったら?」という視点は絶対に持っておくべきです。“一本足打法”は投資の敵です。
災害リスクは想像より重い
日本は災害列島です。ハザードマップを見ずに物件を買うのは、まさに目隠しで投資するようなもの。
- 地震:保険は高額&補償範囲に限界あり
- 津波:多くの保険が非対応
- 液状化・浸水:資産価値が著しく下がる
とくに地元でないエリアは、“安すぎる物件”がハザードで真っ赤ということも珍しくありません。
現地調査前に、必ず自治体のハザードマップを確認してください。
街を歩いて“人”を観察する
誰が住んでいるのか──これは収益に直結するリアルなデータです。
- 平日昼:主婦層?高齢者?
- 夜間:若者?夜職?治安は?
- 土日:家族連れ?人出の量は?
**街の顔は時間帯で変わります。**その変化を肌で感じてこそ、投資判断の解像度が上がるのです。
スマホの画面では見えない現実が、足元には広がっています。歩いて得た感覚こそ、投資の羅針盤です。
物件を現地視察する際のチェックポイントも合わせてご確認ください。
多様性が街を支える
街の建物がバラバラ=安定感がある証拠です。
新築もあれば古アパートもある。ファミリーも単身者も住んでいる。そんな街は、相場が崩れにくく、住人の入れ替えがスムーズです。
古い商店とチェーン店が混在している駅前なんかも理想的です。
一方、ニュータウンや築古団地ばかりの街は、構造的に「替えが効かない」。何かが崩れた瞬間に、戻すのが難しい。
ごちゃ混ぜな街は、投資家にとって最高のフィールドです。
「街から探す」は、遠回り
「この街で投資したい」と街から先に選ぶと、物件が出てこない・利回りが合わないという壁にぶつかります。
人気エリア、再開発エリア、ブランド立地──魅力的な場所には投資家も群がり、チャンスは限られます。
だからこそ、まずは物件ありき。そのうえで街を調べて見極める。
これが、現実的で勝てる投資戦略です。
おわりに──未来を読む力を持て
不動産投資とは、「未来に人が住み続ける場所」を選び抜く行為です。
情報を集め、街を歩き、数字を見て、自分の頭で考える。その積み重ねが、見知らぬ土地でも確信をもって買える力になります。
知識があるから買えるんじゃない。調べる力があるから、知らない場所でも買える。
街を見る力は、未来をつかむ力。土地勘より、調べる力が資産を生む時代です。
不動産に関するお悩み・ご相談はこちら
「気になる物件があるけど判断できない」
「エリアの見方に自信がない」
そんなときは、ぜひお気軽にご相談ください。
それでは、またひみつ基地で!
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