不動産投資の隠れコストとは 購入から売却まで思わぬ出費を解説

不動産投資とは

不動産投資を始めるとき、多くの人がまず計算に入れるのは管理費や修繕費、固定資産税といった基本的なコストです。
しかし、実際に運用を始めてみると、それ以外にも想定していなかった出費が発生することがあります。
こうした「隠れコスト」は、ひとつひとつの金額が大きく、発生のタイミングも読みにくいため、手残りを大きく左右します。

ここでは、購入から売却までの流れに沿って、初心者が見落としやすい隠れコストとその目安金額を解説します。


購入時にかかる隠れコスト

ローン事務手数料

銀行で融資を受ける際に必要となる手続き費用です。

  • 発生場面:金消契約(ローン契約)を結ぶとき
  • 金額感:定額型は3〜5万円前後、定率型は借入金額の2.2%(例:5000万円の融資で約110万円)が一般的

銀行保証料

保証会社を利用する場合に支払う費用。

  • 発生場面:融資実行時(一括前払いまたは金利上乗せ)
  • 金額感:借入1000万円あたり20〜30万円が目安。
     定率型ローン(事務手数料2.2%など)では保証料が手数料に含まれる場合もある。

運用中にかかる隠れコスト

広告料やフリーレント(入居者募集費用)

空室を埋めるために仲介会社へ支払う広告料や、入居者に設けるフリーレント(家賃無料期間)。

  • 発生場面:空室期間が長引いたときや繁忙期以外の募集時
  • 金額感:広告料=家賃1〜2か月分、フリーレント=1か月分の家賃損失

入居付けキャンペーン費用

「エアコン新設」「家具家電プレゼント」など、入居促進のための施策費用。

  • 発生場面:築古や競合物件が多いエリア
  • 金額感:数万円〜20万円前後

滞納や明渡し訴訟の弁護士費用

入居者が家賃を滞納し、退去しない場合に法的手続きが必要となるケース。

  • 発生場面:任意の退去交渉で解決できないとき
  • 金額感:30〜100万円程度

保証会社で手当ができるケースもあります。

害虫・ハト対策などの環境トラブル費用

共用部に発生した害虫やハト被害の対応。

  • 発生場面:築古アパートや共用部に被害が出た場合
  • 金額感:数万円〜30万円程度

共用部の電気代

廊下照明や外灯などの共用部の電気代。

  • 発生場面:小規模物件や空室が多いとき
  • 金額感:月数千円

植栽管理や外構メンテナンス

木の剪定や外構の補修など。

  • 発生場面:築年数が経過した一棟物件
  • 金額感:数万円〜数十万円

売却時にかかる隠れコスト

ローン繰上返済手数料

売却代金でローンを一括返済する際に発生する可能性のある費用です。

  • 発生場面:残債をまとめて返済するとき。
  • 金額感:近年はネット手続きで無料が増えていますが、契約内容によって数万円かかる場合もあります。

測量費(境界確定)

土地の境界が不明瞭な場合に買主から求められる費用です。

  • 発生場面:境界が曖昧な場合や隣地所有者が複数いる場合
  • 金額感:50〜100万円程度

解体費用(更地渡しの場合)

古い建物を更地にして引き渡すときに発生します。

  • 発生場面:買主が建て替え前提で購入する場合
  • 金額感:木造住宅で100〜150万円前後、木造アパートで200〜300万円、RC造マンションでは500万円を超えることもあります。規模が大きいほど費用は上がります。

引渡し前の是正費用

買主から「雨漏りを直してほしい」「給排水設備を修繕してほしい」と求められる場合の費用です。

  • 発生場面:引渡し前の内覧や調査で不具合が発覚したとき
  • 金額感:数十万円〜100万円超

サブリース契約の解除違約金

サブリース契約を結んだまま売却する場合に発生することがあります。

  • 発生場面:買主がサブリースの継続を希望しない場合
  • 金額感:契約内容によるが、数十万円前後

まとめ

不動産投資は、利回りシミュレーション通りに進まないことの方が多いものです。
広告料や測量費、是正費用といった隠れコストが発生すると、手残りが一気に減ってしまいます。

こうした支出を事前に知っておくことで、慌てずに対処できます。
隠れコストを前提にした資金計画を立て、余裕あるキャッシュフローを確保しておくことが、失敗しない投資への第一歩です。


不動産投資の資金計画や利回りの考え方をより詳しく知りたい方は、下記フォームからご相談ください。
具体的なシミュレーションや初めての投資計画の立て方をわかりやすくご案内いたします。

では、またひみつ基地で。

コメント

タイトルとURLをコピーしました