大前提
まず最初にお伝えしたいのは、マイホームは家族のための住まいだということです。
私は不動産の現場で長く仕事をしてきましたが、「資産性ばかり気にして家族の住み心地を犠牲にした結果、不和が生まれた」──そんなご夫婦を何組も見てきました。
だからこそ、家を買うときは家族の暮らしやすさを第一にすべきです。
ただし、住まいを選ぶ過程や買い替えのタイミングで、投資としてのチャンスが訪れることがあります。
そのときに正しい知識を持っていれば、暮らしと資産形成を両立できるのです。
ここでは、私自身の実務経験も交えながら「マイホームで儲けるための代表的な方法」をご紹介します。
①賃貸併用住宅という選択肢
賃貸併用住宅とは、自宅の一部を賃貸に回すスタイルです。
たとえば、1階を賃貸・2階を自宅にするパターンや、ワンルームを数戸併設するケースなどがあります。
- メリット
・賃料収入をローン返済に充てられるため、実質的な住居コストが大きく下がる
・住宅ローンの低金利で借入ができる(条件あり。一般的には「自宅部分が延床面積の1/2以上」であることが求められる)
・相続税評価が下がりやすい(貸家建付地の評価減) - デメリット
・入居者との距離が近く、プライバシー確保が課題になる
・空室が出ると収入計画が崩れる
・売却時の買い手は限定される(実需+投資の両面を求める人に限られる)
・投資とマイホームの両方に適した物件を見つけるのは容易ではない(予算的にもデザイン的にも)
マイホームでありながら「収益を生む資産」に変わるという点で、賃貸併用住宅は初心者でもチャレンジできる不動産投資の入り口になります。

②買い替え時に「投資ローン」にリファイナンス
もう一つ知っておきたいのが、マイホームを買い替えるときに投資ローンへ借り換える方法です。
どういうことか?
たとえば、今の家を売らずに賃貸に回し、次の新居を購入するケース。
この場合、旧居をそのまま「住宅ローン」で持ち続けるのは契約違反になります。
そこで、旧居を住宅ローンから投資ローンへリファイナンス(借り換え)するわけです。
- メリット
・思い出のあるマイホームを、手放さずに収益化ができる
・実際に暮らしていた家だからこそ物件をよく理解できており、貸した後の管理も楽
・数年前に購入した好立地物件であれば、相場上昇によって「新規購入では絶対に出ない高利回り」を実現できる - デメリット
・住宅ローン優遇(低金利・控除)は使えなくなる
・投資ローンは金利が高く、審査も厳しい
・家賃収入が安定しないとローン返済が苦しくなる
・投資ローンが残るため、次のマイホーム購入時に組める住宅ローンの枠が制限される
実例 私のマイホームが利回り9%の投資物件に変わった話
ここで、私自身が実際に経験したケースをご紹介します。
- 購入時:5,000万円台の都内マンションを取得
- 10年住み続け、返済を続けた結果、残債は約4,000万円に
- 家族構成の変化により住み替えを決意。
- 調べてみると、同じマンションが月30万円で貸し出されていた(購入当初は20万円台が相場だった)
- 実際に貸し出せば年間収入は約360万円
残債4,000万円に対して年間360万円の賃料収入
表面利回りにして驚異の約9%です。
売却はせず、住宅ローンを投資ローンに切り替えをすることに決めたのです。
今の都内で、新規にマンションを購入して利回り9%を出せる物件は存在しません。
しかし、「長く住んで返済を進めていたからこそ」手にできた唯一無二の優良投資でした。
これはマイホームを単なる消費で終わらせず、資産に転換する力を持っていることを示す実例だと考えています。
注意点 やってはいけないこと
ここで強調しておきたいのは、住宅ローンをそのまま投資に使うのは絶対にNGだということです。
住宅ローン契約には必ず「居住用であること」が条件として盛り込まれており、賃貸転用すれば期限の利益喪失(残債の一括返済を求められる)につながります。
一時期は「バレなければいい」という風潮もありましたが、銀行のチェックは年々厳格化。
もし発覚すれば、金銭的ダメージだけでなく信用情報に傷がつき、今後の投資活動にまで大きな影響を及ぼします。
まともな投資家であれば、こんなリスクを取る必要はありません。
まとめ
マイホームは「暮らしの場」であると同時に、正しい方法を知っていれば資産形成の強力な武器にもなり得ます。
- 賃貸併用住宅でローンを家賃で相殺する
- 買い替え時に旧居を投資ローンへ借り換え
- 実例のように、自分だけが持ち得る“驚異の利回り物件”に変わることもある
- ただし住宅ローンの不正利用は厳禁
こうした知識を持っているだけで、マイホーム選びや住み替えの戦略は大きく変わります。
家族の快適な暮らしを守りながら、資産を積み上げていく──
その両立こそが、マイホーム活用の真髄だと思います。
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では、またひみつ基地で!
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