初心者必見|不動産売買契約書の見方と失敗を防ぐポイント

取得戦略のひみつ

はじめに

マイホームでも投資用でも、不動産を買うときに一番怖いのは「契約書をよくわからないままサインしてしまうこと」です。

数千万円、数億円という大きなお金を動かすのに、一枚の紙で全てが決まる――だからこそ「契約書を甘く見ないこと」が失敗しない最大のコツです。


売買契約書には何が書いてある?

初心者の方がまず知っておくべきなのは、売買契約書には物件を売り買いするための 基本ルール が全て詰まっているということ。

ざっくりいうと、売買契約書にはこんな内容が並んでいます。

🗂️ 売買契約書の主な内容

✅ 物件の特定
どの土地や建物を売買するのかを正確に書きます。登記簿の表示と一致していないと後で大問題に。

✅ 売買代金と支払条件
いくらで買うのか、手付金はいくらか、残りをいつ払うのか、支払方法はどうするか。

✅ 引渡しの時期と条件
いつまでに引渡すのか、残置物(置きっぱなしの家具やゴミなど)の扱いはどうするか。

✅ 契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)
引渡した物件が約束と違っていた場合、売主がどこまで責任を負うのか。

✅ ローン特約
ローンが下りなかったときに契約をどうするか。違約金なしで白紙解除できる条件を定めます。

✅ 違約金と解除条項
どちらかが約束を破った場合にいくら支払うか。どんなときに契約を解除できるか。

✅ 特約条項
物件や取引の事情に合わせた特別な約束を追加します。

💡 ポイントはシンプルです。
✔️ 口頭での説明よりも、契約書に書いてあることがすべて。
✔️ 「誰がどこまで責任を負うのか」を必ず契約書で確認する。


特にトラブルになりやすいポイント

1️⃣ 契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)

物件を引き渡したあとで「雨漏りがあった」「シロアリ被害があった」など、思っていた状態と違うことは意外と多いです。それをどうするかを決めるのが 契約不適合責任 です。

✅ 売主が業者の場合の特徴
不動産業者が売主の場合、宅建業法で「最低2年間は責任を負わなければならない」と決められています。これは個人売主と比べれば買主を守るルールが強いということです。ただし、だからといって「業者だから安心」と思い込むのは危険です。保証の対象外になる部分がないか、責任の範囲が不自然に限定されていないか、必ず契約書を自分で確認しましょう。

✅ 売主が個人の場合
個人が売主だと法律の縛りがなく、「契約不適合責任は負わない」という特約をつけることが可能です。中古物件の個人売買ではほとんどが免責にしているのが現実です。

👉 個人売主の物件では特に、責任の範囲と免責条項を必ずチェック!


2️⃣ ローン特約

ローン特約があれば、融資が下りなくても違約金なしで契約を白紙に戻せます。でも、特約が付いていなかったり、条件が厳しすぎると融資がダメでも違約金を払わなければならないことも。

👉 ローン特約が付いているか、内容が現実的かを必ず確認しましょう。


3️⃣ 引渡し猶予・残置物

「引渡し日」は物件の所有権が移る日です。ここがズレると、二重ローンや余分な家賃が発生するリスクがあります。また、残置物(家具やゴミなど)が残っていて、処分費用を買主が負担することもあります。

👉 引渡しの期日と残置物の扱いを明確にする。


4️⃣ 付帯設備表・現況有姿

中古物件では「現況有姿(げんきょうゆうし)」という表現がよく出てきます。これは「今の状態のままで引渡します」という意味です。つまり、エアコンや給湯器に不具合があっても原則として文句を言えないことも多いです。

👉 付帯設備表を細かく確認し、必要なら動作確認もしてからサインしましょう。


5️⃣ 土地の境界・測量

土地の売買では、境界があいまいだと隣地トラブルの原因になります。測量が済んでいないと、登記簿面積と実測が違い思わぬ損をすることもあります。

👉 「境界確定図」や測量図があるか必ず確認。


6️⃣ 違約金・解除条項

契約を途中でキャンセルしたときに、買主側だけ高額な違約金を払わされる一方で売主側にはペナルティがほとんどない…そんな不公平な内容になっていることもあります。

👉 違約金の金額と、売主側のペナルティが対称かを確認。


7️⃣ 印紙税・原本の扱い

売買契約書には印紙を貼る必要があります。原則として、売主と買主が1通ずつ原本を持つのでそれぞれ印紙を貼ります。ただし、相手と合意があれば「原本は1通だけ作って印紙代を折半し、原本は買主が保管する」という方法も実務上は可能です。

👉 小さなことでも事前に話し合い、トラブルを防ぎましょう。


✅ 売買契約書チェックリスト(おさらい)

  • 契約不適合責任:売主が業者か個人かで責任が全然違う!
  • ローン特約:本当に付いている?内容は現実的?
  • 引渡し条件:期日は明確か?残置物は誰が片付ける?
  • 現況有姿・付帯設備表:今のままで問題ない?
  • 境界・測量:確定している?図面はある?
  • 違約金・解除条項:一方的に不利になっていないか?
  • 印紙税・原本:誰が負担してどう保管するか決まっているか?

おわりに

不動産に関するお悩み・ご相談はもちろん、売買契約書の内容チェックだけでも無料でお手伝いしています。現場の実務経験をもとに、できる限りわかりやすくお答えしますので、不安な方はお気軽にどうぞ。

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それでは、またひみつ基地で!

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