不動産を安く買いたいなら、売主の売却動機を確認しろ

不動産購入のひみつ

不動産投資をしていると、ある日ふと「掘り出し物かも?」と思える物件に出会うことがあります。 でも、ちょっと待ってください。

その物件、なぜ売りに出されているのでしょうか?

すべての売り物件には必ず売りに出ている“背景”があります。そしてその背景を読み解くことが、不動産投資の成否を分けるカギになります。

この記事では、不動産のプロが実務の現場で見てきた「売りに出される主な理由」を5つのパターンに分けて、初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説します。

それぞれの特徴や注意点、そして「お買い得度」や「レア度」も合わせてご紹介しますので、これから投資を考えている方はもちろん、すでに物件探しを始めている方も、ぜひ参考にしてください。


① 相続や高齢化による売却

▶ 背景 持ち主が高齢になったり、亡くなったことで相続が発生し、家族が物件を手放すケース。 「もう自分では管理できない」「子どもたちが使わない」などの理由で売却されます。

▶ 事例 首都圏の中古マンションを高齢の親が所有していたが、相続した子どもが「現金のほうが使いやすい」と売却。

お買い得度: ★★★ レア度: ★★★

▶ 注意点 相続人が複数いる場合、意思決定が遅れたり、価格交渉が難航することも。売主の「まとまり具合」を見極めましょう。


② 資金ニーズ(現金化・借金返済)

▶ 背景 急な資金需要に迫られ、資産を処分するケース。不動産を売ることで現金を確保したい、もしくは借金返済を迫られている場合が多いです。

▶ 事例 事業の失敗や株価の急落で資金繰りが悪化し、急ぎで所有していたビルを売却。

お買い得度: ★★★★★ レア度: ★★★★★

▶ 注意点 スピード重視の売却が多く、価格交渉の余地はありますが、資料や法的整備が不十分なケースも。しっかりとリスクを見極めてから判断しましょう。また、現金即決を求められることも多いです。


③ 運用方針の変更(節税・資産組換え)

▶ 背景 法人や富裕層が、決算対策・相続対策・資産の組み換えなどを目的に、戦略的に不動産を手放すケース。売却自体は計画的で、タイミングを見て売り出されます。

▶ 事例 富裕層が所有していた都心レジデンスを、相続税対策のために年度末に売却。

お買い得度: ★★ レア度: ★★

▶ 注意点 値付けは相場よりやや強気なことが多く、「本当に今買うべきか?」の見極めが重要。安さより“質”を重視するタイプの売り物件です。


④ 出口戦略(利確・仕込み済み物件の売却)

▶ 背景 不動産投資家や業者(プロ)が商品化(バリューアップ済)した物件を出口戦略として売却。賃料UP・稼働改善・修繕完了などの“価値向上”を施した後に利確するタイプ。

▶ 事例 築古アパートをフルリフォームして満室にした上で、収益物件として市場に売却。

お買い得度: ★ レア度: ★

▶ 注意点 一番よくあるパターン。きれいに整った状態で魅力的に見えるものの、購入後のリターンは薄め。利回りが下がっているケースも多いので、「どれだけ利益を抜かれているか」を見極める視点が重要です。


⑤ 市況悪化・エリア衰退による見切り売却

▶ 背景 エリアの需給悪化や賃料下落、築年の進行などにより「もうこれ以上は持ちたくない」と判断されるパターン。

▶ 事例 地方都市の賃貸マンションで空室が増え、回復の見込みがないため損切り売却。

お買い得度: ★★★★ レア度: ★★★★

▶ 注意点 一見、価格は安く見えますが、リスク込みで割安なのか、“安物買いの銭失い”なのかの見極めがカギ。エリア全体の将来性を見る力が問われます。


それぞれの売却理由には、背景・お買い得度・リスクが存在します。 売りに出された物件の“裏側”を正しく読み解くことが、不動産投資で失敗しないための第一歩です。

ちなみに、業者売主=損と考えている投資家も多いですが必ずしもそうではありません。
業者の値付けミスを目ざとく見つけて、短期転売をするような取引もたくさんあります。
「出回り物件だからダメ」や「業者物件だからダメ」と安易に判断するのではなく、物件の価値を測る目を養うことが大事です。(正直プロの世界でも安易なことを言う方がいて悲しくなります。)

気になる物件や売却背景に関して「もう少し詳しく知りたい」という方は、お気軽にお問い合わせください。実務経験に基づいて、しっかりお答えいたします。

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では、またひみつ基地で!

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