不動産投資の安定収益は、**「誰が借りるか」**でほぼ決まります。
入居者さえ良ければ、家賃収入は滞りなく入り、管理の手間も減り、日々のストレスもぐっと小さくなります。逆に、トラブルを起こす入居者が1人いるだけで、手間も時間も想像以上に消耗するのがこの商売の現実です。
だからこそ、プロの世界では入居審査を非常に神経質に行っています。
保証会社の審査を通して終わりではありません。属性・書類・提出態度・緊急連絡先・ちょっとした違和感まで、細かく積み上げて慎重に見ています。
今回は、現場の実務感覚に基づく入居審査の「6つの確認ポイント」を整理しました。
プロが日常的に見ている視点を知っておくことで、個人オーナーの方でも安定運営とストレスフリーな賃貸経営に一歩近づけます。
① 収入と勤務先──家賃負担率と収入安定性のチェック
まず確認するのは、家賃負担に対する収入水準です。
一般的な目安は「手取り月収の3分の1以内」。ただし、年収だけでなく収入の安定性がより重要です。
- 正社員・公務員・大手企業勤務 → 安定度が高い
- 中小企業・派遣・契約社員・フリーランス → 継続性に注意
- 転職直後・開業直後 → 補足説明や事前確認が必要
単純な属性だけで判断せず、総合的な信用の積み上げがプロの基本スタンスです。
② 緊急連絡先の信頼度──トラブル時の命綱になるか
緊急連絡先の属性も入居審査の重要な確認ポイントです。
通常は親族(両親・兄弟姉妹・配偶者の親など)を記載するのが原則です。
親族以外の第三者が出てくる場合は、少し注意して確認します。
万一の際にきちんと連絡が取れるかどうかが大切です。
③ 書類提出の丁寧さ・誠実さ──入居後の管理トラブルを映す
申込書・必要書類の提出状況には、入居者の性格や管理姿勢が如実に表れます。
- 記入漏れ・訂正が多い
- 提出期限に遅れる
- 捺印・添付書類の不備が多い
こうしたルーズさは、将来の家賃支払いやルール順守の不安材料にもなります。
書類の出し方に人柄が出る──現場経験ではよく実感するポイントです。
④ 申込内容に嘘がないか──信用調査の基本
申込内容は必ず裏付けを取ります。
- 勤務先の在籍確認
- 収入証明(源泉徴収票、課税証明書など)
- 保証人の属性確認
プロの世界では、保証会社の審査を通した上で、さらに勤務先・年収・職種・属性を細かく分析し、独自の信用調査を行うのが基本です。
属性の積み重ねでリスクはかなり予測がつく──これが現場の感覚です。
⑤ 保証会社審査通過の有無──保証会社も選定が重要
保証会社の利用は今や標準ですが、保証会社によって審査基準や保証内容はかなり違います。
保証会社の審査の厳しさ
- 信販系(オリコ・エポス等)
信用情報機関と連携し、属性審査が厳格 - 独立系(全保連・日本セーフティ・Casa等)
比較的緩やかな審査も多い
仲介会社の提案を鵜呑みにせず、オーナー自ら保証会社の種類・保証範囲を確認する意識が重要です。
保証内容の違い
- 滞納家賃のみ保証
- 原状回復費用・訴訟費用までカバー
- 更新料・保証期間の条件の違い
代位弁済の申請期限にも注意
なお、保証会社による代位弁済(立替払い)にも申請期限がある点は意外と知られていません。
自動的に立替えてくれるわけではなく、所定の期日内に申請が必要な契約が一般的です。
実は私も新卒の頃、管理会社時代にこの申請期限を忘れかけて焦った経験があります……。
自主管理の方はもちろん、管理会社に任せていても、代位弁済の申請状況はオーナー自身でも把握しておくのが安全です。
⑥ 面談・内見時の「空気感」──最後は人の勘も大事
最後は数値化しにくい部分ですが、面談時の違和感は軽視できません。
- 受け答えの姿勢
- 言葉遣い
- 身だしなみ
- 契約説明時の態度
数字上は問題がなくても**「ん?」**と感じた違和感が、後々トラブルになるケースも少なくありません。
現場経験を積むほど、この感覚の重要性を痛感します。
まとめ──審査は積み上げ式で判断する
入居審査は、単純な○×ではなく信用を積み上げていく作業です。
属性・書類・保証会社・態度──すべての要素を丁寧に確認し、違和感の芽を事前に摘むことが、長期安定経営に直結します。
良い入居者さえつけば、あとは家賃が入り続ける**「ほったらかし経営」**も決して夢ではありません。
入居審査は、安定経営の最初にして最大のポイントです。
さいごに
入居審査は地味ですが、不動産投資の安定経営を左右する非常に重要な工程です。
このブログでは、現場の実務で使われているノウハウをできるだけ噛み砕いて発信しています。
今後も「プロの現場で実際に役立つ情報」を積み上げていきますので、また覗いていただけたら嬉しいです。
💬 不動産投資のご相談・ご質問はこちらからお気軽にどうぞ
それでは、またひみつ基地で!
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